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秋の渡り鳥
日本の夏はとても暑く、湿度が高いせいか、バードウォッチャーですら、あまり外へ出たがりません。しかし、秋の渡りは暑い夏から始まります。8月に入ると、シギ・チドリたちが海岸や干潟、休耕田などで見られるようになります。彼らは東南アジアや遠く、オーストラリアまで渡る途中、日本に立ち寄ります。春の渡りのページで紹介した
トウネンは、秋の渡りでも沢山見られます。しかし、春に見られた赤茶色の美しい羽色は、たいてい灰褐色の地味な羽に変わっています。ウズラシギ(写真左)は春の渡りほど、秋には多く見られません。ただ、よく似たアメリカウズラシギは秋に多く記録されるので、注意して見る必要があります。アメリカウズラシギに限らず、日本で珍しいシギ・チドリ類は、秋に多く記録される傾向が強いようです。ニシトウネン、ヒメハマシギ、ヒメウズラシギ、オオハシシギ、シベリアオオハシシギ、ヘラシギなどは、ほぼ毎年のように、日本のどこかで記録されています。
9月から10月にかけて、猛禽類好きの人は峠や岬に通うようになります。彼らの多くは望遠鏡と風呂敷を持って見通しの良い場所に座り込み、タカが渡っていくのを眺めています。渡りの時期、多く見られるタカには2種類あります。ひとつはサシバ、もうひとつはハチクマ(写真右)です。ハチクマはサシバよりも渡りの時期が早く、サシバが10月に多く見られるのに対し、ハチクマは9月に多く渡っていきます。
ハチクマやサシバの渡りを見ている最中ツミ、ハイタカ、アカハラダカ、ノスリ、チゴハヤブサ、チョウゲンボウなども見られることがあります。九州以南では、アカハラダカが多く、日によって、数百、数千と渡っていくそうです。秋の晴れた一日に、タカの渡りを見物するのは、猛禽ファン、バードウォッチャーならずとも、楽しめると思います。
小鳥類の渡りは、囀らない分だけ、春よりも難しい傾向にあります。鳥類標識の記録によれば、彼らの渡りはすでに7−8月には始まっていることになりますが、残念ながら目にする機会はほとんどありません。
彼らを多く目にするようになるのは、秋も深まり、木の葉が少しずつ落ちてきた10月以降です。ヒタキの仲間は、林縁部で採餌をするため、比較的目に付きやすいグループです。地味な羽色にもかかわらず、コサメビタキ(写真左下)は秋に都市公園、里山などで案外普通に目にします。
10月、春の渡り同様、熱心な鳥キチたちは日本海側にある島を目指します。彼らの目当てはセジロタヒバリ、カラフトムシクイ、カラフトムジセッカ、ツメナガホオジロ、シラガホオジロ、シロハラホオジロ(上写真右)などの大陸系の鳥たちです。これらの鳥たちの多くも、春に比べると地味な羽色になり、こっそりと渡っていきます。
朝晩の気温がぐっと下がり、霜が下りだす頃、アトリ、ジョウビタキといった冬鳥たちの出番がやってきます。
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