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西オーストラリア探鳥旅行 |
2001年に西オーストラリア州の探鳥ツアーに
講師として参加したときの旅行記です。
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オーストラリアは私にとっては深い思い入れのある国である。1994年から2年半、自然保護関係の勉強をするために、初めて海外生活を体験した土地だからだろうが、穏やかな気候、豊かな自然、温和な人々に囲まれ、心のゆとりを感じる生活を送ったせいでもあるだろう。その後1999年にも再訪したが、これまで回ったのは北部のダーウィン周辺、ヨーク岬からアデレードにかけての東海岸で、依然西海岸はまだ見ぬ土地であった。 広い大陸のオーストラリアは、大陸そのものに固有種が大変多い。オーストラリアで記録されている野鳥の半数以上がオーストラリア国外では記録のない種と思われる。この率は陸鳥ではさらに高く、7-8割程度になるのではないだろうか。これは、オーストラリアが他の島々や大陸から遠く離れているためで、大陸内で独自の進化を遂げた種が多いからだろう。 オーストラリアの野鳥はまた、大きな移動をしない代わりに、環境適応した種が多く、特定の環境に行かないと見られない種がかなりいる。大きな渡りをしないことから、環境型の固有種も多い。西オーストラリア州西部にはこういった地域固有種が十数種生息している。 今回のツアーでは、これらの地域固有種をどれだけ拾えるかを一つのテーマとしてやってみることにした。
アメリカで起きたテロ事件のせいで、伊丹空港の警備はくどいくらいに厳重だった。チケットに書かれてある名前と本人が一致するのかどうかを調べているようだが、チケットを見れば本人じゃなくても名前が分かるのに、どの程度の効果があるものやら。これだけ警備が煩いと機内持込は不可能と諦め、三脚を預けたのだが、受け取りの時に見てみて、今度は過剰包装にびっくり。ビニール袋にぐるぐる巻きにしてくれていた。 羽田から成田行きのリムジンに乗り、成田で少し時間を潰す。アメリカ路線が空いているせいか、空港内は閑散としている。参加者と顔合わせをし、荷物を持ってチェックインカウンターへ。意外なことに、パース行きは満席らしい。飛行機を見て、なぜ満席なのかすぐに理解ができた。2列、3列、2列の非常に小さな飛行機だった。Quantasはオーストラリアではサービスが良いと評判の航空会社だが、寝ている客は起こすわ、機内安全の説明のテープのボリュームはやたら大きいわで、特別良い印象は持たなかった。もっとも、愛想が良いだけで、今ひとつ動きが機敏ではないアジア系の乗務員よりも、フレンドリーでよく働く乗務員の姿は好印象を受けた。 機内は日本人のツアー客が8割、オーストラリア人の観光客らしき人たちが2割。かなり立派な体型の方も乗っていたが、あれではエコノミークラスの椅子はきつかろう。翌日からに備え、機内食を食べて、早々に目を瞑る。
10月7日 Perth (Lake Monger - Herdsman Lake - Floreat Beach - Lake Joondalup
より簡素化された入国審査のおかげで、空港の外にすぐに出ることが出来た。換金を済ませ、現地ガイドのRHと顔合わせ。大人しい性格らしく、「それじゃ、車へ」とあまり多くは語らない。空港の外に出ると、早速bottle brushの赤い花と青い空が目に飛び込んできた。如何にもオーストラリアという景色が良い。RHの車はワンボックススタイルの4駆で、車高がかなり高い。 空港の傍の雑貨屋で飲み物を買い、最初の探鳥地Lake Mongerへ。車中、ワライバト、ヨコフリオウギビタキ、ツチスドリらの姿が目に止まる。 Lake Mongerは如何にも都市公園化してよく整備された公園で、朝のジョギング、散歩をしている人の姿が目に付く。やけに立派な体型の人が目立つが、オーストラリア全体の傾向なのか、それともパース近郊の傾向なのか・・・。以前に東海岸に住んでいたときにはオーストラリア人の肥満度はアメリカよりも低いと感じていたのだが。 到着早々、クビワアカツクシガモ、カタアカチドリらを見つける。ゴシキセイガイインコをあちこちで見かけるが、これは西オーストラリアでは移入種であるらしい。池の中央ではシラガカイツブリが群れていて、ノドグロカイツブリよりも目に付く。西オーストラリアの傾向なのかと思ったが、この後、これほどシラガカイツブリが目立つところはほとんどなかった。遊歩道沿いにはサメイロミツスイが多く、時折ウタイミツスイを見かける。展望塔から見渡すとオーストラリアオタテガモ(写真左)をあちらこちらで見かける。
続いて訪れたHerdsman LakeにはWWFが立派な建物を建てている。一種のビジターセンターだと思うが、午後から開園らしく、中は見られなかった。湖畔には葦などが茂り、paperbarkの木が影を作っている。あいにく水位が高いため、セイタカシギ類、クイナ類は期待できそうもない。キバシヘラサギ、サメイロミツスイらが出現。サメイロミツスイはどこへ行っても数が多い。 続いて、Floreat Beachを訪れるが、こちらは日曜で人の出も多く、鳥の方はさっぱり。ターゲットはハジロオーストラリアムシクイだったが、なにも見られなかった。代わりに近くの公園を歩いてマキエゴシキインコやモモイロインコを観察。マキエゴシキインコは西オーストラリアではかなり多いようで、住宅地の庭先でも目にした。 昼食はビュッフェスタイルのレストランで。地元では人気があるようだが、ボリュームは多くても、味の方はさほどといったところ。 昼食後、Lake Joondalupへ。ユーカリの林が茂った疎林の中に大きめの湖がある。駐車場の回りはピクニックグラウンドになっていて、子供連れの人々がのんびりと休日を過ごしている。ピクニックグラウンドでは、マキエゴシキインコに加え、テンジクバタンやアカビタイムジオウムらが餌を探している。 マキエゴシキインコは枝に止まって鳴くとき、尾羽を左右に大きく振る。一個体だけの特徴と思っていたら、その後何回か同じ光景を目撃した。 林の中では、ハチクイ、キボシホウセキドリ、ハイイロオウギビタキらが姿を見せるが、この日のハイライトはムラサキオーストラリアムシクイのオス。林縁の枯れ枝の先にじっと止まり、ゆっくりと観察できた。 この日の探鳥は夕方4時で終了。早めにモーテルへチェックイン。車での移動が多いオーストラリアでは、市内中心部にあるホテルより、駐車場設備の完備したモーテルの方が移動に便利である。 夕食は海の見えるレストランでとる。レストランの一角ではこの日、結婚式のパーティが開かれていた。
春といってもまだまだ朝は寒い。しかし、日が昇ると途端に気温が上がり、昨日同様暖かい一日になりそうだ。 テレビのニュースでアメリカがアフガニスタンに空爆をしたことを知る。詳細は定かではないが、いよいよ始まったらしい。 モーテルの簡単なコンチネンタルの食事を済ませ、荷物をまとめる。チェックアウトを済ませ、350km南東にあるStirling Range National Parkを目指す。 この日、RHの体調が優れないということで、彼の息子のJohnが運転することになった。短く刈り込んだ頭だが、前頭部だけ髪を長く伸ばし、後ろで結んでいる典型的なこちらの若者のヘアースタイルだ。父親同様口数の少ない人らしい。 パースの南部を抜け、Darling Rangeを通り抜ける。次第に視野が広がり、どこまでも広大な畑が広がるようになった。黄色い菜の花畑はまるで大きなじゅうたんを敷き詰めたようである。 まっすぐに伸びた道路に沿って、時折、モモイロインコやマキエゴシキインコの姿を目にする。 途中、Williamsの町で昼食。大きなチキンサンドイッチは淡白だが、まぁまぁ美味しかった。バスに戻る途中でニジハバトを観察。 南に下るに従い、徐々に天気が悪くなりだした。Stirling Rangeに着く頃には時々小雨もちらつくようになる。Stirling Range National Parkは乾燥したheathの藪がところどころに見られ、岩と砂礫が目立つ独特の景観をした場所だった。ここでは西オーストラリアの固有種が期待できたが、天候が悪いためか鳥の声がほとんどしない。何箇所か止まったものの、さしたる成果もなく、宿泊先へ。Stirling Range Retreatは国立公園訪問者のための宿泊施設のようなものなのか、ベット、シャワー、タオルなど、基本的な設備がついているだけの簡素な宿だった。宿の周囲で少し鳥を観察。ユーカリの潅木林の中でアカエリツミ、ムナフコバシミツスイらを見る。飛び回ってばかりでじっくり見られなかったオジロクロオウムをここに来てようやくじっくりと見ることが出来た。甲高い声を張り上げて鳴くのだが、飛んでいる姿を見られれば充分の鳥といった印象。 夕食は少し離れたところまで出かけ、風車の中で営業している変わったレストランでとった。ここのレストランは、オランダ風ということらしく、店主もオランダ人なのか、やたらにオランダと日本の特別な関係(江戸時代に遡るが)を聞かされた。メインは鶏の胸肉に果物系のソースをかけたものだったが、日本人の口には合わないのか、参加者には不評だった。
少し早起きをして、5時起床。昨日の風と雨は収まったようだ。宿泊施設の周辺を朝食前に散策。前日、風のせいで見られなかった鳥たちが姿を見せてくれた。 ユーカリインコは図鑑の色どおりのなんとも派手な色彩の鳥だった。赤い頭と下尾筒、黄色の顔と腰、紫の胸と腹、さらには緑色の羽。野外で見ると想像していたよりは綺麗だったが、あまり原色系の色をこれだけ見にまとっている鳥も多くはなかろう。特殊化した嘴のためなのか、一属一種扱いを受けているが、声や習性は他のオーストラリアのインコと変わらなかった。 ココノエインコはこれと比べるとよほど良い配色をしている。ほとんど全身朱色で、黄色い頬が印象的である。ちょうど黄色い菜の花の茎に止まっていたので、赤い羽が一層引き立った。 小型のワカナインコはオーストラリアのインコの仲間では地味な方だ。細長い尾と額と翼の青い部分が特徴的。このグループのインコは個体数が少なく、姿が見づらいものが多いが、西オーストラリアにおけるワカナインコはかなり普通種と言えそうだった。 ニシキバラヒタキはヒガシキバラヒタキと本当によく似ている。前者の胸は灰色だが、後者では喉の下まで黄色になる。疎林内で静かに餌を探している。 朝食を7時半にしたおかげで、すっかりおなかが空いてしまった。少し早めに行ったところ、「一旦、7時半に変更したんだから、まだ準備できてないんだよ。もうちょっと外で待っててくれ」と言われてしまった。これで商売が成り立つのだから結構なものである。待たされて出てきた朝食はかなりボリュームのあるもので、大きなソーセージにベーコンがついていた。朝食を一度に作るスペースがないのか、3つずつ、約5-10分間隔で出てきた。最後の組の食事が出される頃には最初に食べ始めた人たちは既にコーヒーも飲み終わっていた。先に食べている方も待っている方も落ち着かなかったことだろう。 さんざん待たされた朝食のおまけは、やたらに愛想の良いムラサキオーストラリアムシクイだった。窓越しにわずか2−3mほどの至近距離でゆっくり観察できた。 朝食後、しばし宿舎周辺で観察した後、荷物をまとめる。出発しようとしていたとき、宿のオーナーらしき女性がオーストラリアガマグチヨタカの巣があることを教えてくれた。メスと思われる個体は枯れ木の木の股に巣をかけ、じっとしている。教えてもらわなければ分からないが、よく見れば丸見えのところである。オスは少し離れたユーカリの木陰で時々薄目を開けて周囲を見張っていた。 昼食はPorongurup National Parkに到着してから食べた。ピクニックグラウンドでの食事だったが、肌寒い。オーストラリア人の感覚が時々分からなくなるのはこういう時で、Tシャツに短パンで歩いている人がいれば、トレーナーの上にコートを羽織って火にあたっている人もいる。ガイド役の二人は寒いのにベンチに腰掛けて食べているが、「ランチはピクニックグラウンドで食べるもの」という一種の定義みたいなものでもあるのだろうか。 食後しばらくしてから林内へ。キバラモズヒタキやマミジロヤブムシクイなど、どちらかといえば森林性の鳥が出現。一度ウスアオオーストラリアムシクイのオスが出現するも、チラッとだけ。遊歩道は狭く、木も生い茂っていて、あまりグループでの観察に適さないように感じる。そのうち、出てくる鳥はワライカワセミくらいになってしまった。 遊歩道は次第に登りがきつくなり、寒さも忘れてピークにたどり着いた。岩の隙間、隙間に色々な花が咲いている。植物に詳しい人なら楽しかろうが、あいにく私は植物はほとんどわからない。 曇った天候の影響か鳥の声はほとんどしない。ループになっていて、せいぜい全長3‐4kmと聞いていたが、全長が6kmの上、残りがさらに3km以上あると分かり、来た道を引き返す。帰り道にウスアオオーストラリアムシクイのオスを参加者ほぼ全員で観察。とりあえず、無駄足にならずにほっとした。 車に戻り、さらに南へ下る。Albany近郊で多少時間があるということだったので、Torndirrup National Parkへ行くことにする。この天候では藪の小鳥を狙っても、時間の無駄だろう。 「この周辺の海岸は危険につき、あまり岩場の先端まで行かないように」という趣旨の看板が示すように、南極からの強い風と外海の荒い波が押し寄せる海岸線は荒々しい景色を見せる。Gap National Bridgeでは岩が波によってくりぬかれ、橋状になっている。観光客が多く訪れる海岸で望遠鏡にて観察。狙っていたアホウドリ類の姿は確認したものの、種の同定はできなかった。キバナアホウドリだろうか。ハネナガミズナギドリの中に、ケルゲレンミズナギドリが少数見られた。 モーテルへ向かう途中、オーストラリアクロミヤコドリ、オニアジサシ、オオアジサシなどを海岸で観察。6時前にモーテルに到着。この日はモーテル内で夕食。同宿に花のツアーの日本人団体客がいたが、曇った夜空の下、南十字星を見に行くという話を聞いた。日本人の添乗員と現地ガイドが着いていたが、2人とも植物には無縁に思えた。ネイチャーツアーが流行りなのかもしれないが、十分なサービスが提供できないようなツアーは自然に淘汰されていくことだろう。
6時起床。朝食が7時なので、少し歩いて時間を潰す。人家の屋根に止まっているのは、ニジハバト。東海岸では林の鳥なのに、少し感覚が狂う。しばらく歩くと、庭先にエミューとクロカンガルーの姿が見えた。ペットとして飼うには大きすぎる気がするが・・・。 卵とベーコンとソーセージの相変わらずの朝食を食べて、出発の準備。この日は一日Albany近辺で探鳥。目指すTwo People’s Bayはノドジロクサムラドリ、ニシヒゲムシクイなど、この地方特有の鳥が生息する場所。今回のツアーのハイライトでもあり、少し気合が入る。 相変わらずすっきりしない冬型の天候で、時折強い風が吹く中、保護区の中に入っていく。白っぽい砂質の土壌は見るからに貧弱で、林にならずにheathの低い藪が広がっている。ちょうど花季を迎えていて、ピンクや白、黄色の花の様々な花が咲いている。西オーストラリア州は植物の固有種がかなり多いと聞くが、この景色を見ていると納得がいく。 保護区内の一角に車を止め、緩やかな坂道を上り始める。ノドジロクサムラドリがいるという場所までは往復3kmの道のりだ。限りなく白に近い砂地の歩道は歩きにくく、長時間歩くと疲れそうだ。環境的にはキョウジョスズメ等が見られそうだったが、静まり返っていてなにも見られない。時折、なにかの声が聞こえたり、ミツスイ類の姿が見え隠れする以外、いたって単調である。 目的のノドジロクサムラドリは沢沿いの茂みの中で鳴いていた。地上生活に適応したこの鳥はほとんど飛ぶことがない。大きな良く通る声で鳴くが、姿は一向に見えない。30分近く待ったものの、一向に見える気配がなく、諦める。戻りの途中で雨が強くなり、すっかりびしょぬれになってしまった。 この日の昼食もピクニックグラウンドで。小雨が混じる中、ガイドのRHは黙々と昼食の準備をしている。小雨の日くらい、さすがに車中かと思ったが、「雨?あっ、そうか、降っているか。」と全く気にする様子がない。このあたりは感覚の違いなのだろうが・・・。 ピクニックグラウンドには、ノドジロクサムラドリに関する解説板が置かれ、種の簡単な紹介から、保護の状況まで書かれていた。どの程度の人が目に留めているのか果たして分からないが、いつもながらこの手の説明板の出来の良さには感心する。 昼食後、付近を散策するも、今ひとつ鳥の出が良くない。Nanarupで再びウスアオオーストラリアムシクイを観察。森林性の小鳥かと思っていたが、案外幅広い植生を好むのだろうか、海岸に近い草地で見られた。しかし、何回見てもカオグロオーストラリアムシクイとの違いは分からない。アオムネオーストラリアムシクイをはさんで分布が離れてはいるが、生息環境にしても東海岸のカオグロオーストラリアムシクイのものとよく似ている。オウム・インコの仲間については種の統合が進んでいるのに、興味深いところである。 道中の草地でエミュームシクイを観察した参加者がいたが、その後は声も姿もなし。全体的にこの日は鳥の出が思わしくなく、成果は薄かった。 夕食はAlbany市内のレストランにて。注文してから出てくるまでやたらに時間のかかるレストランで、スープが出てくるのに30分、さらにメインが出てくるのに30分以上かかった。温かいものを食べてようやくほっとしたのに、最後にアイスクリームを食べて、一気に体が冷え切ってしまった。
移動日。疲れもたまってきており、また住宅地の回りではさすがに朝の散歩をしなかった。天気は相変わらずすっきりしない。車中の探鳥でオーストラリアカタグロトビを今ツアーで初めて見かける。 途中休憩に立ち寄った場所でアカビタイサンショクヒタキ、キボシホウセキドリ等を見つける。アカビタイサンショクヒタキはこの日数回出現し、最終的には参加者全員が観察することが出来た。繁殖期なのか、独特のキリギリスかバッタの仲間のようなか細い声で囀っていた。 昼食に立ち寄ったWilliamsの公園でハヤブサがオーストラリアツバメを襲うところに直面した。ツチスドリやカササギフエガラスなどもっと動きの遅い鳥もいるのに、一番反撃を食らう可能性が低かったからだろうか。捕食後、すぐに飛び去った。 午後からはDryandra State Forestで大半の時間を費やした。ハチクイが飛び回り、ウスズミモリツバメが枝先に止まっている。声は少ないが比較的鳥影は多い。林の雰囲気は東海岸の疎林地帯を思い起こさせる。ただ、東海岸にいるはずのミミジロコバシミツスイがおらず、代わりにムナフコバシミツスイが多く見られる。 ツアー中、様々な鳥の巣や卵をみかけたように、ここではムナフコバシミツスイの雛を目にすることが出来た。 チャバラキノボリやマミジロオーストラリアマルハシなどを観察した後、雲行きが怪しくなり、戻ろうとしていたところで、オーストラリアムシクイの声がした。すぐ近くのアカシアの藪から、ちらっと姿を見せたのは、頭全体が濃い青のアオムネオーストラリアムシクイだった。愛想が悪く、結局ちらっと姿を見たのみ。 もう一つのお土産はハリモグラだった。ゆっくりと歩いているところを参加者の一人が見つけ、皆で傍に寄って、ゆっくりと観察した。倒木の下に顔を突っ込み、防御の姿勢に入っている姿は、いささか滑稽であったが、あれだけ多くの人間に囲まれ、結構怖い思いをしたことだろう。 車中の景色は印象に残るものが多かった。ユーカリの巨木は風に影響され、あるものは右にあるものは左に枝を伸ばし、黄色い花のじゅうたんの上でひっそりと立っている。雲が地上に影を落とし、黄色い世界にコントラストをつけていた。たぶん、何でもない景色で、気にならない人が見れば全く気にならないようなものなのだろうが・・・。 移動日ではあったが、この数日で最も多くの鳥が観察された。ある程度育った森では多少天気が悪くても鳥が見られる傾向があり、短期間のツアーではもうちょっとこういう環境で時間を費やす方が良いだろう。 夕食はモーテル内のレストランにて。そろそろこちらの料理にも飽きてきたのか、「醤油の味が恋しい」という声が聞こえてくるようになった。 Perthはこの日は夜半から雨。無事に止んでくれると良いのだが・・・。 10月12日 Lake Forrestdale - Booragoon Lake - Alfred Cove 朝のニュースでは、来るべくオーストラリアの国政選挙の話が中心だった。回りに環境関係の仕事をしている人か留学生が多かったせいか、John Howard首相に対しての評価は私の回りでは最低である。環境関係の予算を削り、政権についた当初は人種差別的発言も見られたので止むを得ないだろう。しかし、オリンピック景気も手伝い、失業率を平均7%台まで下げた彼の評価は上がっているようで、一般人の対象にしたテレビのインタビューでは、彼の率いる自由党に投票するという声が多かった。いつもながらだが、オーストラリアの政治家は見た目にぱっとしない人が多く、対立候補のキム・ビースリーにはJohn Howard以上の投票率を得るだけのカリスマ性はなさそうだ。 最終日はPerth周辺の探鳥地へ。見逃しているオーストラリアセイタカシギ、サンショクヒタキらが狙い。 Lake Forrestdaleはしかしながら期待外れの場所で、bush fireの跡が残り、小鳥の姿は少ない。湖の水位も高く、セイタカシギ類はここでもなし。ニシキリハシミツスイやハジロナキサンショウクイらが見られた程度。 Booragoon Lakeはオーストラリアクロトキとウ類のコロニーがある小さな沼で、こちらも状況さえ良ければクイナ類が見られそうだが、水位が高い。クロトキのコロニーはあまりにも大きく、少しグロテスクなくらい。 昼食はFremantle市内のレストランにて。有名なfish & chipsの店なのか、店内はかなり混み合っている。それでも所詮揚げ物は揚げ物だと思うのだが、味の方はやはり可もなく不可もなくだった。 最後に寄ったAlfred Coveでは干潟でオバシギ、コオバシギ、サルハマシギらの姿を見つける。ようやくオーストラリアセイタカシギを観察したが、アカエリソリハシセイタカは結局出ずじまいだった。 午後はショッピング用に少し時間を割き、Perthの街の中心を歩き回る。オーストラリアの都市は100万人の人口があっても中心部はこじんまりとしていて、歩き回るのにはちょうど良い。5年前、オーストラリア滞在中、BrisbaneやWollongongの街を歩き回った当時を思い出し、少し懐かしさを感じた。 Perthはオーストラリアではもちろん、世界でも有数の美しい街と言われている。Swan Riverが街の南北を分け、坂の多い街は確かに綺麗ではあったが、他のオーストラリアの諸都市と比べて、特に美しいとも感じなかった。 一旦モーテルに戻り、荷物を詰め直す。鳥合わせを簡単に済ませ、市内に出て夕食。この日は中華料理にしてもらった。日本人にはやはりこの方が楽しんで食べられるように思う。 ガイドのRHたちに空港に送ってもらい、チェックインをして空港の免税で時間を潰す。この日のフライトもほぼ満席。テロの影響で空いていると思ったのは我々だけじゃなかったのかもしれない。 わずか6日間のツアーで、Albanyへの往復約700kmに二日を費やし、移動の多いツアーとなった。トータルの観察種類数は130種弱だったが、東南アジアと比べ、一種、一種の観察時間は長く、また異なった楽しみがあったように思う。 帰りの機内では「ブリジット・ジョーンズの日記」を上映していたようだが、眠さに負け、とっとと目を瞑った。成田着午前9時15分。空港で解散し、羽田経由で帰路についた。帰ってきたら、日本もオーストラリアに負けないくらい、秋晴れの青空が広がっていた。 − 完 |
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