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ショウキバト (Spinifex Pigeon) © Koji TAGI

 みなさんは、オーストラリアの砂漠を旅行されたことがありますか。私たちの抱くイメージとはまったく異なる砂漠の世界がオーストラリアにはあります。

 オーストラリア大陸のほとんどは赤茶色の大地をした砂漠です。雨は年間100mm程度しか降りません。

 一方のMallee(マリー)はユーカリの低木が生えた藪を指します。こちらも雨は年間限られた量しか降らず、普段は赤茶けた大地に日差しが照りつけています。

 当然、こんな厳しい環境に住む鳥たちは特殊化してきます。写真のショウキバトは地面と同じ色にカモフラージュしているだけではありません。隠れるところの少ない砂漠の草地で、この鳥は飛ぶよりも、すばやく走ることで身を守ります。

 雨のほとんど降らない砂漠では、餌探しも困難です。シロクロミツスイ(Black Honeyeater:写真)は一年中、花の咲いたアカシアやユーカリを求め、内陸を放浪しています。彼らは、雨の後に咲いたこれらの花をどこからともなく探し当て、短期間で繁殖を終えて、また花を探す旅を続けます。その移動距離は数千キロにも及ぶと考えられています。どうやって、花の咲いている場所を探すんでしょう。まさに、途方にくれるような旅ですね。

 このような旅を続けているのは、シロクロミツスイだけではありません。日本ではペットとして有名なセキセイインコは、本来オーストラリアの内陸の鳥で、やはり大陸内部を群れで移動しています。モリツバメの仲間のマミジロモリツバメ(オーストラリアの鳥のページ参照)やホオグロモリツバメは数百、数千という大きな群れで、常に内陸部を移動しています。こうして、砂漠やMalleeでは、花が咲いたり、餌が豊富な時期に、どこからともなく沢山の鳥が現れ、花が枯れ、餌になるものがなくなると、いつものように静けさを取り戻します。

そんな厳しい環境にも、驚くほど美しい鳥たちが住んでいます。

セイキインコ(Mulga Parrot: 写真右)はMallleeの林の中で見られるインコで、緑色の体に赤や黄色や青の羽が入り混じった、とても鮮やかな色彩をしています。彼らは年間を通じて、雨の少ないMalleeの林の奥で生活しています。

 ハジロオーストラリアムシクイ(White-winged Fairy-wren:写真左)は砂漠に生えるbluebushの藪によく見られます。オスは青い体に白い羽がとても鮮やかです。


 ハジロオーストラリアムシクイよりもさらに砂漠に適応しているのは、同じ仲間のセスジムシクイ(Grasswren)たちです。彼らはSpinifex(スピニフェックス)の藪から藪へ小走りに走って逃げます。そのスピードは驚くほど速く、走っている姿がほとんど見えないくらいです。

 エアーズ・ロックやキングス・キャニオンへの観光旅行はきっと思い出に残るに違いありません。でも、そのついでに、小さな生き物たちにも眼を向けてみるといかがですか。双眼鏡がなくても、エアーズロック観光に来た旅行客をひっそりと眺めているショウキバトやハジロオーストラリアムシクイに出会えることでしょう。


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